小話2
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「ちゃんがサッカー部のマネージャーやったらどうしよう」
「どいて」
「なあ、研磨。そんなに女子はサッカー部がかっこよく見えんのか?」
「…知らない」
「くっそーーーー、本気でちゃんマネージャーやってたらどうしよ。サッカー部入ってやろうか、このっ」
ベッドの上がぐしゃぐしゃなんだけど。
研磨はめんどうなので、言葉にはしなかった。
座布団が残念なかたちにひねられて、はたかれている。
「ちょっと、クロ」
「ああ、わかってんだよ。俺はサッカーよりバレーだ。バレーだってかっこいいってとこ、見てもらえればなあ」
「どいて」
「一年じゃ試合を見せるタイミングもないし…」
「邪魔」
「サッカー部の邪魔をする訳にも…、かといって万が一ちゃんがどこの誰ともしれないやつに興味を持ちでもしたら」
「…見せれば、クロの、かっこいいとこ」
「どこ、かっこいいとこ」
「練習してるとこ、とか」
「おお! それはありだ。よし、明日誘う」
「連絡先聞いてないの」
「!!そうだよ、LINEあんじゃねーか」
「知ってるの?」
「明日聞くんだよ!」
「そう…」
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